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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻7号

1991年06月発行

原著

日光角化症に生じたTrichilemmomal Carcinoma

著者: 高田育子1 岸本三郎1 池田佳弘1 小林和夫1 安野洋一1

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.469 - P.472

文献概要

 80歳,女性の右外眼角外方に24×18mmの赤褐色斑上に14×12mmの疣贅状腫瘤がみられ,この腫瘤は急速に隆起した.組織学的に腫瘤部では表皮と連続性に外方へ分葉状増殖を示した.腫瘍の外層では基底細胞様細胞が棚状配列を示し,中心部ではエオジン淡染性の有棘細胞様細胞またはclear cellがみられPAS染色陽性であった.明らかな角化はみられなかった.Pigment-blockade melanocyteが比較的多くみられたがsquamous eddiesはごく少数認めた.腫瘍基部では腫瘍細胞が真皮へ浸潤傾向を示し,細胞の配列の乱れや異型性も強く,細胞分裂像も散見された.以上より三島・堀の毛包腫瘍分類の内のtrichilemmomal carcinomaに相当すると思われた.一方,色素斑部は日光角化症と考えられ,pigmented型が主でその他苔癬型の組織像を認めたが,腫瘤との境界部も含め全体に異型性は軽度であった.顔面の日光角化症にtrichilemmomal carcinomaを生じた1例を報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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