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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻7号

1991年06月発行

症例報告

胃癌を合併した紅皮症の1例

著者: 北川佳代子12 福田知雄1 渡辺匡子1 山崎雄一郎1

所属機関: 1国立東京第二病院皮膚科 2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.499 - P.502

文献概要

 74歳,男.昭和63年9月末より瘙痒性環状紅斑出現し,徐々に拡大したため10月24日当科初診.ステロイド外用,抗ヒスタミン剤内服するも皮疹は拡大し,発熱を認めるようになり当科入院となる.先行する皮膚疾患,薬剤摂取の既往なし.入院時ほぼ全身の落屑を伴うびまん性の潮紅,発熱,リンパ節腫張を認めた.原因検索として各種検査施行したところ,食道胃十二指腸造影,内視鏡にてBorrmann 2型の胃癌が発見されたため,当院外科にて胃全摘術施行.以後皮疹は著明に軽快し,1カ月半後には治癒した.なお全経過を通じ,血中SCC関連抗原値は皮疹と平行して推移した.本例は症状の消長より,内臓悪性腫瘍に随伴したdermadromeとしての紅皮症と考えられた.また血中SCC関連抗原値は,広範囲な皮膚病変を有する紅皮症においては,病状を知る上での指標の一つになるものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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