icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻7号

1991年06月発行

文献概要

症例報告

Bowen病様変化を伴った汗孔角化症の1例

著者: 和泉達也1 菊池新1 天野佳子1 宮川俊一1 多島新吾1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.519 - P.522

文献購入ページに移動
 68歳,男.約30年前より躯幹全域,下肢に播種状に散在する直径1cm程度の環状褐色角化性病変を認めた.下背部の蜂窩織炎を併発した後,隣接する角化性皮疹が拡大してきたため,同部を切除した.組織学的には,角質増生,不全角化,cornoidlamellaを認め,汗孔角化症の像であり,一部にBowen病様の所見がみられた.汗孔角化症は,最近では前癌病変としてとらえられており,本例でも悪性化の誘因として,蜂窩織炎という強い炎症反応が考えられた.本症例についての考察とともに,現在までの内外の汗孔角化症の悪性化の報告例をまとめ,若干の検討を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?