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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻8号

1991年07月発行

文献概要

症例報告

Intravascular Papillary Endothelial Hyperplasiaの1例

著者: 加藤直子1 安岡厚2

所属機関: 1市立小樽病院皮膚科 2北海道大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.577 - P.580

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 64歳,女.両足底の圧痛のある腫瘤を主訴に来院.組織学的に,真皮下層の拡張した血管腔内の器質化しつつある血栓の一部に乳頭状の増殖,すなわち膠原線維の“芯”を血管内皮細胞が取り囲んで腔内に突出する所見が観察され,pure formのintravascular papillary endothelial hyperplasia(IPEH)と診断した.酵素抗体法による免疫組織化学において肉芽部分の浸潤細胞は,vimentinが陽性の線維芽細胞とlysozymeおよびalpha1-antitrypsillが陽性の貪食細胞が多数を占め,factor Ⅷ-related antigenはスリット状の管腔を形成しながら血栓の疎通が始まっている部に弱陽性であった.これらの所見は,多核白血球や貪食細胞などの浸潤を伴いながら毛細血管と線維芽細胞の成長する状態である血栓の器質化の,特殊な形態表現と推定されているIPEHの性質をよく裏づけると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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