icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻8号

1991年07月発行

文献概要

症例報告

下口唇に生じたLentigo Malignaの1例

著者: 亀山孝一郎1 神崎保2

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室 2名古屋市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.591 - P.594

文献購入ページに移動
 76歳女性に生じた下口唇原発の悪性黒子を報告した.30年来下口唇に自覚症状のない黒色斑があり,その後徐々に増大し口唇紅を越え,口唇粘膜,頬粘膜も黒色調を呈するようになった.半年前より拡大傾向著明となる.組織学的には,下口唇では異型メラノサイトが基底膜に沿って増殖し,一部で胞巣を形成していた.治療は液体窒素を用いた凍結療法を施行した,治療後は異型メラノサイトはすべて消失していた.その後黒色調を少しずつ増加したため,3年後に再生検施行した.胞体のやや大きなメラノサイトを基底層に個別性に認めるも,明らかな異型メラノサイトを認めず.経過観察するも5年後に胃癌にて死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?