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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻9号

1991年08月発行

文献概要

原著

単発性肥満細胞症—自験2例を含めた本邦報告84例の検討

著者: 大竹直人1 柴垣直孝1 高野隆一1 窪田泰夫1 島田眞路1 玉置邦彦1

所属機関: 1山梨医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.649 - P.654

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 症例1:8カ月,男児.生後2カ月頃より左足底内側縁に虫刺され様紅斑が出現した.初診時,同部位に15mm×11mm大,やや紡錘形,境界明瞭,表面平滑,扁平隆起性の淡紅色局面を認めた.浸潤を強く触知したが,Darier's signは陰性であった.組織学的には典型的なUnna型の肥満細胞症と診断した.症例2:10カ月,女児.生下時すでに左下腿外側に紅斑が出現していた.初診時,同部位に12mm×10mm大,類円形,境界明瞭,表面平滑,扁平隆起性の淡黄紅色局面を認めた.わずかに浸潤を触知したが,Darier's signは弱陽性であった.組織学的には,血管周囲型の肥満細胞症と診断した.両症例とも経過中,fiushingはなく,皮疹部に水疱形成も認められなかった.この2例を含めた単発性肥満細胞症の本邦報告84例を検討した.その結果,自験2例とも稀な型の単発性肥満細胞症と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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