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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科45巻9号

1991年08月発行

文献概要

治療

ポートワイン血管腫の組織像とレーザー治療効果について—血管壁,血管内腔を中心にして

著者: 松賀一訓1 秦維郎1 矢野健二1 伊藤理1 松田秀則1 古市浩美1 芝本英博1

所属機関: 1香川医科大学形成外科学教室

ページ範囲:P.717 - P.722

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 ポートワイン血管腫(PWS)の病理組織学的所見とレーザー治療の有効性との関係は興味深い問題であるが,従来のPWSの組織学的分類は血管壁の状態に関しては言及されていない.しかしレーザー治療の原理が,他の組織にダメージを与えず選択的に血管を破壊するものであるならば,その血管壁の状態も重要であることが推測される.我々は54例のPWS患者の標本を光学顕微鏡下に観察し,それぞれの血管壁の厚さと血管腔の大きさを測定,アルゴンレーザー治療の効果との関係を検討した結果,次の結論を得た.①PWSの血管は,正常皮膚の血管より壁,内腔とも大きい傾向がある.②血管壁の厚さと血管腔の大小の両者には相関関係はない.③アルゴンレーザー治療の効果は,血管の分布する深さが浅く,血管壁の厚さが薄いタイプが有効率が高い傾向にある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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