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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻1号

1992年01月発行

文献概要

原著

IgA腎症患者皮膚の免疫組織学的検索

著者: 三橋善比古1 千代谷成史1 高橋正明1 山辺英彰2 永田紀四郎3

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科学教室 2弘前大学医学部第2内科学教室 3弘前大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.23 - P.26

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 IgA腎症患者の皮膚への免疫グロブリン沈着の有無を免疫組織学的に検索した.内科および小児科で,腎生検を行って診断が確定された15例のIgA腎症患者を対象とした.原則として,小児は下腿から,成人は肩と下腿の2カ所から生検を行った.全例臨床的に紫斑などの皮疹はみられず,生検皮膚の病理組織学的検索でも異常は見られなかった.免疫組織学的にも成人の1例の肩の血管壁で軽度のIgAとIgMの沈着がみられた以外は陰性であった.比較のために検索したアナフィラクトイド紫斑では8例中6例の真皮上層の血管壁にIgA and/or C3の顆粒状の沈着が見られた.IgA腎症とアナフィラクトイド紫斑は同一スペクトラムに含まれる疾患と考えられているが,皮膚血管へのIgAの沈着態度は異なり,このことはIgA腎症では通常皮疹を欠くことの理由になりうると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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