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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻1号

1992年01月発行

今月の症例

Erythema Figuratum Neoplasticum(Erythema Gyratum Repens)の1例

著者: 加瀬佳代子1 小俣光子1 漆畑修1 斎藤隆三1

所属機関: 1東邦大学医学部第二皮膚科

ページ範囲:P.27 - P.31

文献概要

 Erythema figuratum neoplasticumに属するerythema gyratum repensの61歳,男性例を報告した.全身に瘙痒を伴い遠心性に拡大する浮腫性の環状紅斑が多発.皮疹は日々その形態を変えた.皮疹出現3週間後の胃内視鏡検査で胃内重複癌が早期に発見された.血液検査上,好中球を主体とする白血球増多があり,組織学的に好中球の充満する血管も散見された.胃癌の根治的手術後,皮疹は約3週間で軽快し5カ月で消退した.本例の発症機序としては胃癌に伴う代謝産物に対する免疫反応が考えられた.Erythema gyratum repensは内臓悪性腫瘍におけるデルマドロームとしてよく知られているが本邦ではこれまでに1例の報告しかなく本例は2例目と思われる.海外報告34例も含め若干の文献的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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