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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻1号

1992年01月発行

文献概要

症例報告

落葉状天疱瘡から尋常性天疱瘡に移行したと考えられた1例

著者: 盛修一1 新田悠紀子1 山田敏子1 池谷敏彦1

所属機関: 1愛知医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.43 - P.46

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 40歳男性.顔面,上肢,躯幹に糜爛を伴った紅斑,小水疱が出現.組織学的に顆粒層直下に棘融解像を認め,蛍光抗体法にて表皮細胞間にIgG,C3の沈着を見た.落葉状天疱瘡と診断しprednisolone 30mg/日にて皮疹抑制し,ステロイド漸減.経過良好にて観察中に躯幹,顔面,四肢に広範囲の糜爛を伴った水疱と紅斑が汎発した.口腔粘膜疹も認めた.組織学的に基底層直上に棘融解像が認められ,蛍光抗体法にて表皮細胞間にIgG,C3の沈着を認めた.Prednisolone 30mg/日では皮疹の抑制が不可能で,60mg/日に増量するも反応せず,cyclophosphamide 100mg/日を併用して皮疹は軽快傾向を示した.落葉状天疱瘡から尋常性天疱瘡に移行した症例と考えられたので,若干の考察を加えて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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