文献詳細
文献概要
症例報告
Granulomatosis Disciformis(Miescher)の1例
著者: 大塚勤1 石川英一1
所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.65 - P.68
文献購入ページに移動 47歳男性の右手背に発症したgranulomatosis disciformis(GD)の1例を報告した.初診時,両手背に鶏卵大までの辺縁が環状または弧状に隆起し,中央が萎縮性の紫紅色,軽い落屑を伴う弾性硬の結節が多発して認められた.組織学的に真皮全層に主としてリンパ球よりなる細胞浸潤があり,一部類上皮細胞および巨細胞を混じえ,これらに取り囲まれて軽度の膠原線維の変性がみられた.変性部はoil red O染色陰性,PAS染色陰性.小血管の一部に壁の肥厚や内腔の閉塞像を認めた.本症はnecro—biosis lipoidica,granuloma annulareと近縁の疾患であるが,自験例は臨床的に黄色調を欠く結節で,組織学的に肉芽腫性病変を主体とすることよりGDと診断した.なお,自験例は75g OGTTで境界型耐糖能障害を認めた.
掲載誌情報