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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻10号

1992年09月発行

文献概要

症例報告

特異な臨床経過を示したAcrodermatitis Continua of Hallopeau

著者: 林伸和1 江藤隆史1 古江増隆1 中川秀己1 石橋康正1

所属機関: 1東京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.827 - P.830

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 64歳,女性.初診2年前より左第1趾爪甲が黄白色調となり,爪囲に発赤,腫脹出現.近医にて瘭疽の診断のもと抜爪.以後,爪は生えてくるが,しばらくすると排膿,爪が剥がれる状態を繰り返していた.細菌,真菌培養を繰り返すも陰性で,病状は不変.その後,四肢躯幹に膿疱と鱗屑を伴う紅斑が汎発,ステロイド外用にて再び左第1趾のみに限局した.汎発疹の生検像で,Kogojの海綿状膿疱を認めた.以上より,本症例をacrodermatitis continua of Hallopeauと診断.ステロイド外用剤にて全身の皮疹は略治したが,現在に至るまで左第1趾爪甲は生えてこない.Acrodermatitis continua of Hallopeauの汎発化したものの多くは1指趾より多指趾に移行後,汎発化しており,汎発時には熱発を伴うことが多い.また汎発例は女性では若年発症に多く,これらの点で自験例は稀な症例と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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