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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻10号

1992年09月発行

文献概要

症例報告

眼窩部に生じた破壊型基底細胞上皮腫

著者: 新藤季佐1 古川雅祥1 染田幸子1 谷口彰治1 濱田稔夫1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.847 - P.850

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 77歳,男.約7年前より右下眼瞼部に潰瘍が出現し,種々の治療を受けたが再発を繰り返していた.初診時には,右眼窩部に深い潰瘍が存在し,眼球および眼窩を構成する骨をも侵していた.組織学的には基底細胞上皮腫であり,眼球,骨組織をも含めた腫瘍摘出術,植皮術を行った.その後も潰瘍の増大が認められたため,放射線療法をも行ったが明らかな軽快をみることはなかった.本症例は,臨床的には骨,眼球の破壊を認めるなど深く大きな潰瘍を呈し,治療に抵抗し,再発を繰り返した点で,破壊型基底細胞上皮腫と考えられた.また,組織学的には斑状強皮症型に分類されると思われるが,臨床像をも考え合わせるとより深く浸潤する硬化型といったほうがよいのではないかと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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