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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻11号

1992年10月発行

文献概要

原著

プロピオン酸デキサメタゾンの外用で皮疹の寛解をみた汎発性家族性良性慢性天疱瘡

著者: 須賀康1 池田斈学1 矢口均2 小川秀興1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室 2市川市浦安市病院組合葛南病院皮膚科

ページ範囲:P.877 - P.881

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 59歳,女性.温泉による刺激,細菌感染およびゲンタマイシン軟膏等による増悪因子により皮疹が汎発化したと考えられる家族性良性慢性天疱瘡(Hailey-Hailey病,以下HHD)の1例を報告した.入院後,皮疹の増悪因子に対しての加療を行うだけではなく,両腋窩,鼠径部などになお現存せるHHDの難治性慢性病変に対し,二次感染に十分留意しつつ,very strong classのステロイドであるプロピオン酸デキサメタゾン(メサデルム®)クリームの外用療法を行った.その結果,局所の病変も含めたすべての皮疹が3週間後には完全に消退し,以後,約4年間にわたってほぼ寛解状態を保ち得ている.HHDは,その病態生理が十分に理解されていないため,確実な治療法は確立されていない.今回の我々の経験から,細菌,真菌感染などに対処しつつ,強力なステロイド外用剤を使用することにより,本症のコントロールは十分可能であると考えられたので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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