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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻11号

1992年10月発行

今月の症例

外傷後に単発した扁平苔癬様皮疹—深在性エリテマトーデスと思われる1例

著者: 木村俊次1 田村啓彦

所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科

ページ範囲:P.891 - P.894

文献概要

 44歳,男子.左下背部の3年前に外傷を受けた部位の一部に2年来湿潤を繰り返す皮疹が単発.臨床的に拇指頭大,類円形の紫紅色局面で,中心部萎縮性でやや陥凹し一部白色調,辺縁部やや隆起し褐色調を混じる.下床に高度の浸潤を触れる.組織学的に上層部は扁平苔癬に類似し,中・下層部は皮膚硬化と巣状細胞浸潤を呈してモルフェアに類似するが,弾力線維の減少・消失をみる.この他,皮下脂肪織炎,membranous lipodystrophy,石灰沈着も一部に認める.一般検査成績に著変なく,抗核抗体も陰性である.類症との鑑別を中心に自験例の位置づけを試みたところ,最終的に深在性エリテマトーデスが最も考えられた.臨床・組織所見とも興味ある症例と思われるので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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