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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻11号

1992年10月発行

文献概要

今月の症例

皮膚筋炎に続発した皮膚限局性アミロイド症(汎発型)の1例

著者: 三谷恒雄1 成瀬矛1 野田涼子1 堀口裕治1 段野貴一郎1 今村貞夫1 尾崎元昭2 谷口信吉3

所属機関: 1京都大学医学部皮膚科学教室 2県立尼崎病院皮膚科 3倉敷中央病院皮膚科

ページ範囲:P.895 - P.899

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 60歳,女性,胃切除術および皮膚筋炎の既往がある.皮膚筋炎の皮疹部に色素沈着と苔癬化局面が生じ拡大した.初診時,ほぼ全身の皮膚には黒褐色の苔癬化した丘疹がみられ,部分的には色素脱失を示した.組織学的に表皮の不規則な肥厚と過角化がみられ,真皮乳頭には好酸性で,均質無構造の塊状物質が多数みられた.この物質はダイロン染色に陽性に染まり,電顕的にもアミロイドと同定された.臨床検査上,全身性アミロイド症を疑わせる所見はみられなかった.経過中,肺炎を併発し死亡したが,剖検でも皮膚以外の臓器におけるアミロイド物質の沈着を認めなかった.皮膚筋炎に続発した特異な皮膚限局性アミロイド症と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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