icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻11号

1992年10月発行

文献概要

症例報告

ナプロキセンによる薬疹と気胸を併発したSclerodermatomyositis

著者: 藤瀬有理子1 石井晴美1 佐々木哲雄1 中嶋弘1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.907 - P.910

文献購入ページに移動
 56歳,男.初診,平成元年10月.昭和60年12月両手指のレイノー症状で発症.初診時全身にびまん性色素沈着と皮膚硬化,各所の潮紅と毛細血管拡張などが認められた.筋生検等によりsclerodermatomyositisと診断.食道病変と肺の線維症,小嚢胞あり.平成2年10月からプレドニゾロン20mg/日で加療中.平成3年1月から関節痛に対しナプロキセンを追加投与し,内服22日目から瘙痒性皮疹が出現し入院.全身にびまん性丘疹,紅斑が認められ,顔面では著明な腫脹のため開眼が困難で,両側頸部リンパ節腫脹も認められた.ナプロキセン1錠内服9時間後に皮疹の誘発が見られた.退院後の4月6日突然の呼吸困難が出現し,胸部X-P上,左肺の気胸が認められ再入院.持続吸引により左肺は改善した.全身性強皮症(PSS)患者においては薬疹と気胸の併発は比較的稀と思われるが,本例では炎症所見の著明なPSSであること,肺の線維症と小嚢胞を伴っていたことがそれぞれの発症に関与したものと推察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?