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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻11号

1992年10月発行

文献概要

症例報告

マイボーム腺癌の1例

著者: 河内山明1 三好薫1 河村進2 津田邦義2 牟礼理加2

所属機関: 1川崎医科大学附属川崎病院皮膚科学教室 2川崎医科大学附属川崎病院形成外科学教室

ページ範囲:P.941 - P.944

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 43歳,男性の左下眼瞼に生じたマイボーム腺癌の1例を報告した.初診9カ月前に左下眼瞼のマイボーム腺梗塞にて切開を受けたが1カ月後に同部に腫瘤が出現し,霰粒腫の診断で再び切開掻爬術を受けるも初診の約3週前に腫瘤が再発した.初診時,左下眼瞼外側寄りに淡紅色調で弾性硬の隆起性小腫瘤を認めた.全摘標本では本来瞼板の存在する部位に,空胞状で明るい細胞質と異型性の強い核を有す腫瘍細胞が充実性胞巣を形成しており,ズダンⅢ染色陽性の脂肪球を多数認めた.マイボーム腺癌は霰粒腫と鑑別し難く,不完全な処置,手術により再発や転移を起こしやすい.したがって中高年に見られる霰粒腫様の眼瞼腫瘤では本症を疑い,積極的な生検による早期診断が重要と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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