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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻12号

1992年11月発行

今月の症例

GB3モノクローナル抗体により確定診断された致死型先天性表皮水疱症(Herlitz型)

著者: 川上民裕1 大西善博1 松井良介1 柳原康章1 長村洋三1 赤羽和博2 清水宏3 西川武二3

所属機関: 1自衛隊中央病院皮膚科 2松戸市立病院新生児科 3慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1005 - P.1009

文献概要

 生後8日目の男児.生下時に頭部,左耳介,口囲,口腔粘膜,下顎,手指,臀部に米粒大から鶏卵大までの緊満性水疱,びらんと左下腿から趾尖にかけてほぼ全体にびらん,潰瘍を認めた.約1カ月後には指趾の変形,癒着が生じ,生後85日目にDICで死亡した.水疱は光顕的には表皮下の裂隙であり,電顕的にはlamina lucidaでの解離であることが確認された.GB3モノクローナル抗体を用いた蛍光抗体間接法では,患者皮膚基底膜部のGB3抗原は完全に欠如していた.以上より自験例を致死型先天性表皮水疱症(Herlitz型)と確定診断した.本邦ではGB3モノクローナル抗体を用いて本症を確定診断しえたとする報告は,学会発表の1例を除いて,文献上いまだにない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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