icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻13号

1992年12月発行

症例報告

遺伝性腸性肢端皮膚炎の長期観察例

著者: 中沢朗子1 姉小路公久1

所属機関: 1東京警察病院皮膚科

ページ範囲:P.1133 - P.1137

文献概要

 27歳,女.乳児期に下痢,定型的発疹,脱毛で発症した遺伝性腸性肢端皮膚炎の1例.11歳までキノホルム,それ以後15年間硫酸亜鉛内服.硫酸亜鉛1日50mgでは,血清亜鉛値は20μg/dl前後まで下降し,再発疹を生ずる.最近8年間は硫酸亜鉛1日200mgを内服し,血清亜鉛値,アルカリフォスファターゼ値正常.再発疹,下痢,脱毛なく,硫酸亜鉛長期内服による副作用も認められない.近年亜鉛療法の定着によって,成人に達した症例が散見され,妊娠,出産に遭遇する可能性も出てきている.母体の亜鉛欠乏による胎児の奇形発生が示唆されており,今後の展望として遺伝性腸性肢端皮膚炎患者の妊娠,出産について考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら