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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻2号

1992年02月発行

文献概要

症例報告

皮膚毛包虫症(疥癬型)の1例

著者: 青山浩明12 六郷正和1

所属機関: 1いわき市立磐城共立病院皮膚科 2東北大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.149 - P.151

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 61歳男性の皮膚毛包虫症(疥癬型)を報告した.患者は糖尿病性腎症で入院中に疥癬に罹患し,安息香酸ベンジルとクロタミトンの外用により疥癬が治癒した後に,再度,躯幹に瘙痒を伴う疥癬様の毛包一致性の丘疹が出現し,虫体の証明より皮膚毛包虫症(疥癬型)と診断された.躯幹,四肢に毛包虫が増殖して起こる疥癬型の皮膚毛包虫症は非常に稀である.また,本症例は,ステロイド剤を外用した既往がない点が特異である.本症例の毛包虫が常在性のものか,疥癬の治癒後に感染したものかは不明だが,患者の免疫能の低下が,通常は起こらない躯幹での毛包虫の増殖に関与したものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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