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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻2号

1992年02月発行

文献概要

症例報告

Livedo Racemosaの1例

著者: 横田浩一1 小林仁1 深谷徹1 大河原章1

所属機関: 1北海道大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.157 - P.160

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 15歳女.初診の2カ月前から,両下肢に褐色の皮疹が出現し,しだいに拡大した.発熱,関節痛などの全身症状はなく,局所においても痒みを訴える以外圧痛,疼痛はない.初診時,四肢特に両下肢に境界不明瞭で不規則,樹枝状に融合した,褐色から赤褐色の斑が多数認められた.左下腿屈側色素斑の病理組織学的所見では,皮下および真皮皮下境界部の小動脈の内腔閉塞,内膜下のフィブリン様物質の沈着,血管壁および血管周囲へのリンパ球,組織球を主体とした細胞浸潤がみられた.Livedoracemosaには,特発性のものと症候性のものがあり,基礎疾患の検索をすることが重要である.本症例では免疫学的検査などに特別な異常はなく,基礎疾患の存在は特定できなかった.臨床および病理組織学的所見から,特発性のlivedo racemosaと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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