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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻3号

1992年03月発行

文献概要

症例報告

循環抗凝固因子(Circulating Anticoagulant)による紫斑の1例

著者: 菊池新13 桜岡浩一1 栗原誠一2

所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科 2湘南皮膚科 3慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.255 - P.258

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 循環抗凝固因子によると思われる紫斑の1例を報告した.症例は33歳,女,約2カ月前からの両下腿の皮疹を主訴に当科受診した.臨床的には両下腿に径数mm〜数cmの軽度浸潤を伴い癒合傾向を示す紫斑を認め,検査所見にて出血時間,プロトロンビン時間(PT)正常なるも,活性部分トロンボプラスチン時間(APTT)の延長を認めた.抗凝固因子第VIII・IX因子抗体は検出されず,抗核抗体,抗血小板抗体,抗カルジオリビン抗体を含めた自己抗体もすべて陰性であったが,循環抗凝固因子スクリーニング試験にて多量の正常血漿添加でもAPTT値は正常化せず,抗凝固因子の存在による紫斑が疑われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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