文献詳細
症例報告
文献概要
肺癌を合併した全身性強皮症(PSS)の1例を報告した.患者は初診時40歳女性で初診の5カ月前にRaynaud現象で発症し,手指,手背の浮腫性硬化,全身の色素増強と血管拡張などからPSSと診断した.軽い筋炎と関節炎を伴い,抗RNP抗体が高値であった.44歳で食道機能低下と肺線維症が確認された.45歳時,橋本病とSjögren症候群の合併が疑われた.46歳時呼吸器症状が出現し,7カ月後47歳で肺の低分化腺癌で死亡した.特に肺線維症を伴ったPSSではその経過中に肺癌を併発する可能性を念頭におく必要性を示す症例と思われた.
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