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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻4号

1992年04月発行

文献概要

原著

多彩な症状を伴った魚鱗癬症候群—Refsum症候群とRud症候群の中間型

著者: 栄花芳典1 増谷衛2 上田宏2

所属機関: 1碧南市民病院皮膚科 2藤田保健衛生大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.331 - P.336

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 42歳,女性.生下時より魚鱗癬様紅皮症のごとき皮膚を呈し,主な組織学的所見としては,不全角化を伴う角質増殖であり,表皮全体としても軽度に肥厚を認める.皮膚症状以外には,眼症状として白内障と黄斑部変性,手足の骨変形,深部腱反射の低下,神経性難聴を認め,陰毛の粗生・生理の遅発および早期閉経・ホルモン検査上閉経後のパターンを示すことより性機能不全なども疑わせ,魚鱗癬に多臓器の症状を伴う魚鱗癬症候群を強く疑わせる.現時点において,我々の知り得る範囲では,自験例にみられたような臨床症状を呈する魚鱗癬症候群は存在しない.そのことから自験例は新しい魚鱗癬症候群の一型と考えられる可能性も否定できない.現時点では,Rud症候群よりはRefsum症候群様を呈した魚鱗癬症候群と考えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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