icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻4号

1992年04月発行

症例報告

黄疸患者の足に生じたオレンジ色の小水疱,緑褐色皮疹

著者: 羽尾貴子1 西山千秋1 森嶋隆文1 中島熙2

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2東京医科歯科大学難治疾患研究所遺伝生化学部門

ページ範囲:P.375 - P.378

文献概要

 40歳,男性.急性B型肝炎で入院中,両足縁から足底にかけて紅色小丘疹が出現した.皮疹は次第にオレンジ色の小水疱に変化し,さらに青カビのような緑褐色となって,出現後約3週間で鱗屑,痂皮となって剥離した.皮疹出現時の臨床検査所見は,GOT:137mIU/ml GPT:569mIU/ml, T.Bil:15.5mg/dl, D.Bil:12.95mg/dlであった.オレンジ色の水疱内容と緑褐色皮疹の組織片をHPLCを用いて分析した結果,オレンジ色の水疱内容はビリルビン,緑褐色の変化は,ビリルビンが酸化したビリベルジンの類縁物質によるものと判明した.正常人の血清中には存在することのないビリベルジンが,黄疸患者に生じた青カビ様皮疹から検出された貴重な症例を経験したので,若干の考察を加えて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら