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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻5号

1992年04月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1992

I 最近話題の疾患

Eosinophilia-myalgia syndrome

著者: 水谷仁1 水谷智子1

所属機関: 1三重大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.7 - P.11

文献概要

 筋肉痛と好酸球増多を主症状とする疾患が米国にて多数報告され,eosinophilia-myalgiasyndromeと名づけられた.今回我々は同様の2症例を経験したので,うち1例の概略とともに文献的紹介を行う.その臨床所見は,浮腫および紅斑で始まり,強皮症様の皮膚硬化を呈するようになる.かなり強い筋肉痛とともに,末梢神経障害,脱毛,呼吸困難等も報告されている.検査所見では好酸球増多は必発で他に血清アルドラーゼ上昇,IgE値上昇,X線異常等が認められる.治療には確立されたものはなく,重症のものではパルス療法が行われている.予後は約80%の患者が症状の軽快をみており,10%の患者で症状の完全消失を認めている.病因に関しては,日本で製造されたL—トリプトファンの製造過程で使用されたBacillus amyloliquefaciens(strain V)との関連が強く疑われており,問題のロットの分析によりpeak Eから強く認められ,この物質がEMSの発症と何らかの関係があると考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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