icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻5号

1992年04月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1992

III 新しい検査法と診断法

胎児皮膚生検による遺伝性皮膚疾患の出生前診断

著者: 清水宏1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.89 - P.94

文献概要

 遺伝性疾患の出生前診断は,正常な胎児を堕胎から救うという大きな社会的意義を持っている.しかしこれまで本邦での胎児皮膚生検による出生前診断の施行例としては,1987年Kan—zaki,Suzumoriらによるharlerquin fetusの報告を見るのみであった.筆者らは胎児皮膚生検による出生前診断を主な目的として,1990年7月に,慶應大学皮膚科に遺伝相談外来を開設した.これを通じ,1991年に本邦で初めて先天性表皮水疱症,ついで白皮症の出生前診断の試みに成功した.Herlitz致死型先天性表皮水疱症の出生前診断には電顕,およびGB3モノクローナル抗体を用いた.またチロジナーゼ活性陰性型白皮症については,筆者らが初めて電顕ドーパ反応を胎児診断に応用した.胎児皮膚生検による遺伝性皮膚疾患の出生前診断について,世界ならびに本邦での現状,またその意義,今後の展望についても述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら