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原著
太田母斑の色調と真皮メラニン量との関係について
著者: 東久志夫1
所属機関: 1大阪赤十字病院皮膚科形成外科
ページ範囲:P.419 - P.423
文献購入ページに移動 太田母斑の肉眼的色調と病理組織学的構造の関連につき観察した所見を述べた.太田母斑のすたる病理組織学的所見は,おおむね真皮上層より中層にかけての真皮メラノサイトの存在であり,その真皮内におけるメラノサイトの深さは症例により大きな差違は認められなかった.したがって,太田母斑の肉眼的色調は,真皮内のメラニンの深さによって決まるのではなく,主に真皮上層,中層でのメラニンの水平方向での密度により決められるのだと考えられる.扁平母斑等にみる表皮内のメラニン増加は,太田母斑においてはあまり顕著に認められず,色調を決めるのにほとんど影響していないと思われる.ドライアイス圧抵法により真皮メラノサイトが著明に減少する状態も観察した.観察結果よりみた治療法に対する考え方にも言及した.
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