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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻6号

1992年05月発行

文献概要

原著

Blue Rubber Bleb Nevus Syndrome—症例報告ならびに本症にみられる皮膚血管腫の組織学的分類

著者: 高木裕子1 三橋善比古1 橋本功1 相原守夫2

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科学教室 2弘前大学第1内科学教室

ページ範囲:P.425 - P.429

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 63歳,女性のblue rubber bleb nevus syndromeの1例を報告した.33歳頃から原因不明の貧血と,右半身に青色調の腫瘤が出現した.初診時,右腋窩,右肩甲部,右外陰,右手,右足に青色調の軟らかい腫瘤があり,大腿骨骨折および播種性血管内凝固症候群を伴っていた.右腋窩の腫瘤の病理組織像は,真皮中〜下層に拡張した血管腔があり,それに近接して汗管がみられた.消化管の内視鏡検査で,食道および大腸に血管腫様の病変が多発していた.自験例を含め本邦で報告された16例を,皮膚血管腫の組織像に注目して検討した.I型:angiokeratoma様,II型:真皮中〜下層の血管拡張,III型:cavernous hemangioma様の3型に分類したところ,I型5例,II型10例で,III型は1例のみであった.本症における皮膚血管腫の組織学的な特徴は,菲薄扁平化した壁を持つ血管の拡張で,本症に特有な病変であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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