臨床皮膚科46巻6号

1992年05月発行

症例報告

Relapsing Polychondritisの1例

著者： 小林容子¹² 南光弘子¹

所属機関： ¹東京厚生年金病院皮膚科 ²立川相互病院皮膚科

ページ範囲：P.457 - P.460

　症例，64歳，男．両側耳介の腫脹を主訴に来院．生検にて軟骨炎の所見を認め，再発性の耳介軟骨炎および多発性関節炎よりrelapsing polychondritisと診断した．約1カ月で両症状は自然消退し約1年経過した現在まで再発を認めていない．病因検索のため行った螢光抗体直接法，間接法および抗タイプIIコラーゲン抗体はすべて陰性であり，また自己免疫疾患の合併も認めなかった．免疫学的検索を行った本邦報告例をまとめ本症の病因について若干の考察を加えた．