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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻6号

1992年05月発行

文献概要

症例報告

水疱形成を伴ったErythema Ab lgneの1例

著者: 小林孝志1 杉俊之1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.467 - P.470

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 76歳,女性.2月初旬より両側下腿前面に閉鎖性網状紫紅色斑,さらにその1カ月後よりこれに一致して多発性の緊満性水疱が出現した.生検組織所見では明らかな表皮下水疱の形成と,真皮皮下織境界部の小静脈の拡張および血管壁の肥厚を認めた.また,一部には赤血球の漏出像とヘモジデリンの沈着をも認めたが,明らかな血管炎の所見はなかった.患者は,冬の間,1日中赤外線こたつを使用しており,水疱形成を伴ったerythema ab igneと診断した.きわめて長期間にわたる温熱刺激と,患者が高齢である点,基礎に高血圧,糖尿病を有した点は本症発症から水疱形成までを促した可能性があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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