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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻7号

1992年06月発行

文献概要

原著

重症蚊刺過敏症患者における末梢血リンパ球のサブセット—Natural Killer細胞増多症およびその他の異常

著者: 戸倉新樹1

所属機関: 1静岡市立静岡病院皮膚科

ページ範囲:P.509 - P.513

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 自験および既報告の重症蚊刺過敏症患者における末梢血リンパ球のphenotypeを,特定のリンパ球サブセットの増多という観点から検討した.自験例重症蚊刺過敏症では,CD2+3-4−8-11b+16+38+56+57−,HLA-DR+の表面形質を有するリンパ球が末梢血リンパ球中に50〜60%認められ,natural killer(NK)細胞増多症が存在した.対照として検討した2例の全身症状のない局所症状のみの蚊刺過敏症では,こうしたリンパ球の増多は認められなかった.過去に報告された重症蚊刺過敏症例の末梢血単核球のphenotypeを検討した結果,NK細胞増多症を示唆する症例が存在した.しかし一方では,悪性リンパ腫など他のリンパ球増殖性疾患を伴う例もあった.今後,重症蚊刺過敏症をリンパ球増殖性疾患の潜在という観点からも検討していく必要があると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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