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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻7号

1992年06月発行

文献概要

症例報告

Fournier's Gangreneの1例

著者: 伊藤理1 秦維郎1 矢野健二1 松賀一訓1 松田秀則1 古市浩美1 芝本英博1 井川和彦2 井川淳2

所属機関: 1香川医科大学形成外科 2井川外科病院

ページ範囲:P.565 - P.568

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 Fournier's gangreneは男性会陰部に突然発症し急激に陰嚢皮膚が壊疽に陥る非特異的感染症である.1884年のFournierの報告以来,欧米で約400例,本邦で38例の報告がある.今回われわれはステロイド外用剤の誤用によって発症したと思われる本症の66歳男性例に対し,保存的治療を行い,軽快させたので本邦報告例をまとめて報告する.衛生観念および抗生物質の発達により,本症は稀になったといわれるが,それだけに近年の罹患者は感染に対する抵抗力の低下した特殊な状況におかれていると考えられる.本邦報告例ではその過半数が糖尿病などの全身疾患を背景にもっていた.本症は急性期に敗血症等で死亡することもある.皮膚壊疽については保存的に十分治癒するが時間を要し,拘縮の問題から陰茎に皮膚欠損を生じた場合は積極的に植皮等を施行すべきかもしれない.また薬剤誤用を防ぐために医療側は薬剤情報を患者によく説明すべきであると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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