文献詳細
文献概要
症例報告
抗SS-A抗体陽性者のアロフトによる日光過敏型薬疹の1例
著者: 西原修美1 太田隆正
所属機関: 1国立岡山病院皮膚科
ページ範囲:P.649 - P.652
文献購入ページに移動 アロフト(afloqualone)内服により発症した紅斑の病理組織検査所見が全身性エリテマトーデス(SLE)の所見に一致する症例を経験したので報告した.症例は62歳女性で鞭打ち症のため約5カ月間アロフトを内服したが1カ月目ころより顔面に紅斑が出現した.抗核抗体40倍,抗SS-A抗体1倍であった.頬部紅斑の皮膚病理組織検査で真皮乳頭から真皮中層のほぼ全体と真皮深層の血管周囲に多数の小円形細胞の浸潤がみられ,基底層の一部では液状変性も認められ,lupus band testも陽性であった.内服中止と遮光により速やかに皮疹は消褪したが抗核抗体,抗SS-A抗体は陽性のままであった.グリセオフルビン内服によりsubacute cutaneous lupus ery—thematosus lesionの誘発された(precipitated)報告が見られるが,アロフトでもSLEの誘発(precipitation)が起こり得ると考えられる.
掲載誌情報