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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科46巻9号

1992年08月発行

今月の症例

顕著なElastophagiaがみられた汎発型環状肉芽腫の2例

著者: 加倉井真樹1 岡部直美1 出光俊郎1 鈴木正之1 片山洋1 矢尾板英夫1

所属機関: 1自治医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.717 - P.721

文献概要

 病理組織学的に顕著なelastophagiaを示した汎発型環状肉芽腫2例を報告し,併せて本疾患とannular elastolytic giant cell granulomaとの関係について考察を試みた.症例1:60歳,女.初診の2年前に右手指背に堤防状に隆起した紅斑が出現.1年前から躯幹,下肢に米粒大の淡紅色丘疹が多発,集簇し手掌までの紅色局面を呈する.症例2:54歳,男.初診の1年前に項部の半米粒大の紅色丘疹が出現.3カ月前から同様の病変が背部,肩,上腕に拡大,一部で融合傾向を示す.両例とも糖尿病の合併がみられた.組織学的には真皮上・中層に膠原線維の変性,および弾力線維を貪食した異物型巨細胞と組織球の浸潤からなる肉芽腫が認められた,一部で柵状配列が観察され,た.弾力線維の断裂,変性は認められるが完全な消失はみられない.コロイド鉄,トルイジン・ブルー染色で一部に陽性所見が得られた.以上によりelasto—phagiaを伴った汎発型環状肉芽腫と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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