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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻1号

1993年01月発行

文献概要

症例報告

フィブリン糊による接着植皮を施行した臀部慢性膿皮症(汎発型)の1例

著者: 藤岡範子1 西川千香子1 山田裕道1 高森建二1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.51 - P.55

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 臀部の膿皮症を主症状とし,項部,腋窩部にも同様病変を認めた臀部慢性膿皮症(汎発型)の50歳男性例を報告した.臀部の膿皮症については病巣部を切除し,生物学的組織接着剤であるフィブリン糊を用いた分層(網状)植皮術を行った.フィブリン糊による接着植皮術は,本症のように安静が保ちにくく,適当なタイオーバーが困難な部位での植皮の際に有効な手段であると思われた.本症の発症要因については現在なお明らかではないが,自験例では白血球機能について検討を行ったところ,好中球殺菌能の著しい低下が認められた.このことより,本症の病像形成に好中球の殺菌能の低下が関与している可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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