icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻10号

1993年09月発行

文献概要

原著

皮膚筋炎—臨床所見を中心として

著者: 中谷明美12 柳原誠1 森俊二1

所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科学講座 2岐阜市民病院皮膚科

ページ範囲:P.841 - P.846

文献購入ページに移動
 昭和42年から平成4年までの26年間に岐阜大学皮膚科を訪れた皮膚筋炎患者29例の臨床所見について検討した.男女比は男:女=1:2.6,平均年齢46歳,皮膚症状では,顔面紅斑,ゴットロン徴候,四肢関節背面の角化性紅斑が多く認められた.初発症状は86%に皮膚に現れ,その多くは顔面紅斑であった.皮膚症状が先行した症例では1年以内に約半数の症例で筋症状が出現し,6例では経過観察中には筋症状の出現をみなかった.一方,筋症状が先行した症例では全例1年以内に皮膚症状が出現した.悪性腫瘍との合併は6例に認められ,非合併例に比べて顔面紅斑,ポイキロデルマ,瘙痒が高率に認められた.間質性肺炎の合併は5例で全例死亡した.それらは皮膚筋炎発症後6カ月以内に発症し,急速な転帰をとった.5例中2例に難治性皮膚潰瘍を生じた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?