icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻10号

1993年09月発行

文献概要

症例報告

化学療法後に急激な黒色色素沈着を生じた1例

著者: 長谷川優子1 太田有史1 上出良一1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.861 - P.864

文献購入ページに移動
 症例は52歳,男性.骨髄異形成症候群の診断で1990年7月より当院第二内科にて加療中に黄疸出現し,薬剤性肝障害の疑いにて1991年1月入院となった.その後,骨髄像で異型細胞の増加を認めたためリンパ腫の肝浸潤と診断された.腎機能も悪化していたがビンデシン,エトポシドによる化学療法を施行した.その直後より急激に顔面の著明な黒色色素沈着,項部,手背の褐色色素沈着が出現した.組織像は表皮下層のメラニン顆粒の著明な増加,メラノサイトの賦活を認めたが,鉄染色は陰性であった.鉄代謝,副腎機能,α—MSHには著変を認めなかった.色素沈着は化学療法による皮膚障害が主因であり,肝・腎障害が誘発因子と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?