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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻10号

1993年09月発行

文献概要

症例報告

Propylthiouracilによる血管炎型薬疹の1例

著者: 坂井博之1 松尾忍1 飯塚一1 西村英夫2

所属機関: 1旭川医科大学皮膚科学教室 2旭川医科大学第2内科学教室

ページ範囲:P.877 - P.880

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 Propylthiouracil(以下PTU)による血管炎型薬疹の1例を報告した.症例は52歳,男性.8年前から甲状腺機能亢進症のためPTUを投与されていた.初診の2カ月前から発熱とともに,頭部に紅色皮疹が出現し,体幹,四肢に数を増してきた.初診時には,後頸部,体幹,両手に鱗屑,痂皮を伴う丘疹,あるいは浸潤を触れる紅斑性局面が存在し,一部潰瘍化していた.身体所見では甲状腺腫大と脾腫を認め,検査所見では白血球減少と,T3,T4の上昇,両側肺門部リンパ節腫脹がみられた.組織学的には,真皮から皮下脂肪組織にかけて,血管周囲性に好中球とリンパ球が浸潤し,血管壁の破壊と核塵を認めた.薬剤中止により皮膚症状,検査所見ともに改善をみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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