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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻10号

1993年09月発行

文献概要

症例報告

イコサペント酸エチルが奏効したHypodermitis Sclerodermiformisの1例

著者: 青木幹泰12 斉藤範夫1 細谷順1 西山千秋1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2駿河台日本大学病院皮膚科

ページ範囲:P.917 - P.920

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 イコサペント酸エチルの内服が奏効したhypodermitis sclerodermiformisの経験例を報告した.患者は63歳,女性.左下腿内側の静脈瘤に接して,有痛性の灼熱感を伴う木様硬に触れる境界明確な紅褐色局面があり,辺縁は鮮紅色を呈した.病理組織学的には,真皮中層から皮下脂肪織にかけて,肥厚した膠原線維束が皮面と平行に走行してみられるが,炎症所見は軽微で,皮膚付属器は正常に保たれていた.消炎鎮痛剤の内服と超音波療法にて約5カ月間治療を行ったが,疼痛は軽減するものの,紅斑性病変は左下腿全体に拡大した.そこで,イコサペント酸エチルの投与を試みたところ,内服開始2週間後より病変は縮小し始め,約1年後には多少の皮下硬結と色素沈着を残すまでに軽快している.本症にイコサペント酸エチルの内服が奏効した症例にいまだ接しないので,若干の考察を加えて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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