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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻10号

1993年09月発行

文献概要

治療

前脛骨型表皮水疱症の遊離植皮術による治療経験

著者: 小迫雅敏1 新見直正1 森保1 西山成寿1 森田栄伸1 山田悟1 山本昇壮1

所属機関: 1広島大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.921 - P.924

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 17歳,男性.生下時および幼少時にとくに異常はみられなかったが,10歳頃から脛骨前面に米粒大から小豆大の小水疱が出現するようになった.水疱は瘢痕を残して治癒するが,再発を繰り返した.水疱は病理組織学的には表皮下水疱であった.水疱形成部位では電顕的にanchoring fibrilsはほとんど認められなかった.前脛骨型表皮水疱症と診断し種々の保存的治療を行ったが十分な効果が得られなかったため,病変部に遊離植皮術を施行した.採皮部は正常者と比べて上皮化の遅延がみられた.植皮部の皮膚の生着は良好であった.植皮部に稗粒腫の形成はみられたが,整容的に満足すべき状態が得られた.前脛骨型表皮水疱症において遊離植皮術は有用な治療法の一つになりうると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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