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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻11号

1993年10月発行

症例報告

一過性好酸球性血管性浮腫の1例

著者: 西井芳夫1 川津友子1

所属機関: 1関西労災病院皮膚科

ページ範囲:P.991 - P.995

文献概要

 23歳,女性.一過性に両下肢および手指に腫脹を生じ,著明な好酸球増多を示した好酸球性血管性浮腫の1例を報告した.検査所見では,白血球数16,000/mm3,好酸球62.3%,血清中のeosinophil cationic protein(ECP)が70.0μg/lと著明に上昇.骨髄像で好酸球の過形成を認めたが,各種臓器に異常を認めず,免疫学的検査,寄生虫検査においても異常は認められなかった.組織学的には,真皮の浮腫,血管周囲,膠原線維間にEG−2抗体陽性の好酸球浸潤を認め,病変部組織への活性化好酸球の浸潤が示唆された.本例では,副腎皮質ホルモン未使用のまま1カ月後に症状が消退しており,以後の再発は認められていない.Gleichらの報告例に比べるとやや非定型的であるが,軽症例と考え報告するとともに文献的考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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