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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻11号

1993年10月発行

症例報告

ミノサイクリンによる固定薬疹の1例

著者: 笠松正憲1 辻卓夫1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1001 - P.1004

文献概要

 22歳,女性.ミノサイクリン(ミノマイシン®)による固定薬疹の典型例を経験した.既往歴に抗生剤(薬剤名不明)内服後,左下腿屈側の紅斑が出現した経験がある.平成3年9月,ミノサイクリン50mgを内服したところ6時間後,同部の浮腫性紅斑が出現.炎症消退後に褐色色素沈着を残した.内服試験では6時間後に皮疹の再燃あり.同剤の固定薬疹と診断.貼布試験は色素斑部,健常部共に陰性.Lymphocytestimulation test(LST)は陰性.他のテトラサイクリン系抗生剤との交叉反応は陰性.病変部内皮細胞,表皮ケラチノサイトのintercellular adhesion molecule-1(ICAM-1)の早期からの発現が,皮疹固定化に大きく関与していると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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