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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻11号

1993年10月発行

症例報告

頭部と顔面に難治性潰瘍のみられた母子家庭における児童虐待

著者: 外山馨1 飯沢理1 関口博久2

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科教室 2仙台市児童相談所

ページ範囲:P.1025 - P.1028

文献概要

 ある母子家庭(22歳の母親がシンナー中毒の父親と離婚している)で発生した児童虐待の1例を報告する.症例は10カ月の男児.生後2カ月頃より皮疹がみられたという.初診時,体重は7.5kg,軽度の発育障害があり,筋緊張の低下を認めた.皮疹は頭部に限局し,鼻尖部の欠損と鼻腔粘膜の糜爛・潰瘍,被髪頭部・前額部・左耳介に散在する皮膚潰瘍があった.末梢血および生化学検査では異常を認めず,血清梅毒定性検査も陰性だった.入院して保存的に治療したところ,一進一退ながら快方に向かった.母親の親族からの話および入院中の経過より児童虐待と診断した.児童虐待について若干の文献的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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