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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻11号

1993年10月発行

文献概要

治療

足底拇趾球部悪性黒色腫の術後再建例

著者: 荒浪暁彦1 佐々木裕子1 和泉達也1 秋山真志1 杉浦丹1 中嶋英雄2

所属機関: 1清水市立病院皮膚科 2慶應義塾大学医学部形成外科学教室

ページ範囲:P.1029 - P.1032

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 症例:44歳男性.約2年前より左拇趾球部の黒色皮疹に気づくも放置.初診時皮疹は,21×10mmの黒色斑で,中心付近に小豆大ドーム状黒褐色結節を認め,辺縁にしみ出しを伴っていた.病理組織学的には,メラニン顆粒を含んだ明るい胞体を有する大型の腫瘍細胞が,表皮基底層を中心に大小の胞巣を形成し増殖.以上の所見より末端部黒子様黒色腫と確診.腫瘍の明らかな真皮内浸潤は認めなかった.黒色斑辺縁より2cm離し,深部は筋膜直上まで切除.組織欠損部は,足底から足背にかけての非荷重部に作成した外側足底動静脈を茎とし,内側足底動静脈の基部を含む足底筋膜皮弁により再建.術後2年を経過するが再発転移はみられず,皮弁の知覚は保たれ,歩行障害は生じていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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