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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻12号

1993年11月発行

文献概要

今月の症例

表皮細胞間にIgGとIgAの沈着をみた紅斑性天疱瘡の1例

著者: 小川朗子1 轟葉子1 丸山道代1 高田和美1 小方冬樹1 生野重明1 戸田淨1 橋本隆2 西川武二2

所属機関: 1東京逓信病院皮膚科 2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1055 - P.1058

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 38歳,男性.2カ月前より顔面,前胸部,背部に小豆大から小指頭大の紅斑,水疱,びらん出現.病理組織は角層下に水疱,その中に好中球とacantholytic cellが認められ,蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgG, C3のみでなくIgAが沈着.間接法ではIgG抗表皮細胞間抗体80倍,抗表皮細胞核抗体160倍,IgA抗表皮細胞間抗体は陰性であった.表皮細胞間にIgG, IgAの沈着が共に陽性である症例は,他に1例報告されているのみである.過去の報告を検討して,表皮細胞間にIgAのみが沈着する水疱症は天疱瘡とは別の独立疾患として扱うほうが良いのではないかと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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