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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻12号

1993年11月発行

文献概要

症例報告

優性栄養障害型先天性表皮水疱症(Cockayne-Touraine Type)の1例

著者: 佐々木裕子1 荒浪暁彦1 秋山真志1 杉浦丹1 清水宏2

所属機関: 1清水市立病院皮膚科 2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1077 - P.1080

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 症例,24歳男.出生時より軽微な外力により水疱出現し,瘢痕や脾粒腫を残して治癒.以後,寛解増悪を繰り返し,小児期より爪甲変形および口腔粘膜にもびらんが認められているが,白色丘疹,成長障害,消化器症状,指趾の癒着などは認められない.母親,姉,母方の祖母,甥に同症あり.光顕で表皮下水疱,電顕ではlamina densa直下に裂隙形成が認められanchoring fibrilの減少が見られた.LH 7.2モノクローナル抗体は患者基底膜部と反応し,Ⅶ型コラゲンの存在が確認された.以上より優性栄養障害型先天性表皮水疱症(Cockayne-Touraine type)と診断された.抗皮膚基底膜部抗体による検索は先天性表皮水疱症の診断,ならびに病態の解明に重要であり,今後さらに症例を集積していくべきであると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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