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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻12号

1993年11月発行

症例報告

Subacute Cutaneous Lupus Erythematosusの1例

著者: 浜岡秀爾1 堀越貴志1 大石雅樹1 花田二郎1 川村邦子1 前田和男1 高橋誠1 西東敏雄

所属機関: 1札幌医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.1083 - P.1086

文献概要

 18歳,女性に発症したsubacute cutaneous lupus erythematosus(SCLE)の1例を報告した.初診の2カ月前より左頬部に環状紅斑,上背部に孤立性の鱗屑を付着する浸潤性紅斑を認めた.皮疹はその後瘢痕を残さずに治癒した.他に,口腔内には小潰瘍が存在し,膝関節痛,レイノー現象を認めた.臨床検査所見で,抗核抗体と抗DNA抗体は陽性,抗SS-A・SS-B抗体は陰性であった.耳下腺造影にてapple treesignを認め,口唇部の唾液腺では,組織学的に軽度のリンパ球浸潤を認めた.しかし,涙液および唾液の分泌能には異常は認められなかった.病理組織検査では,表皮の萎縮および基底層の液状変性,真皮上中層の血管および付属器周囲には,リンパ球を主体とした密な細胞浸潤を認めた.以上の所見より,本症例をSontheimerらの提唱したSCLEと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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