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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻12号

1993年11月発行

症例報告

著明なムコ多糖沈着を呈したAmyopathic Dermatomyositisの1例

著者: 大塚勤1 秋元幸子1 山蔭明生1 石川英一1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1087 - P.1090

文献概要

 58歳,男性.体幹・四肢の自覚症状を伴わない淡紫紅色扁平隆起性丘疹で発症し,発熱,ヘリオトロープ疹,ゴットロン徴候,爪囲紅斑を認めたが,当初筋炎を認めなかった.組織学的に皮疹部には液状変性・メラニンの滴落と真皮全層にわたる著明なヒアルロニダーゼ消化性アルシアンブルーおよびコロイド鉄陽性物質の沈着を認めた.以上より著明なムコ多糖沈着を伴ったamyopathic dermatomyositisの1例と考えた.その後ステロイド内服加療により解熱し,皮疹も消退したが,皮疹初発より4年8カ月後,プレドニゾロン減量中に数度にわたる炎症反応の増悪および一過性の筋原性酵素の上昇を認めた.本例の皮疹部ムコ多糖の二糖分析を行ったところ,正常人皮膚に比較して,乾燥重量あたりのヒアルロン酸構成二糖が著明に増加していた.本例の疾患上の位置付けおよび成因について考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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